人事部の女神さまの憂い

これまでの恋愛を思い出すと、自分から動いたことがなかった。
決してモテるということはないものの、いいなーと思っている人がいると、相手もそう思ってくれていて自然と付き合うようになることばかりだった。

同じ学校とか、バイトが同じとか、会社の先輩とか、いいなーと思って、ちょっとづつ距離感を縮められるような人としか恋愛をしたことがなかったのだ。

1度だけしか会ったことがない人とか、普段かかわりが全くない人のことが気になるなんてことがなかった。だから、どう動いていいのかわからない。

「香織さん。私、恋愛で自分から動いたことってほとんどないんです」

「ニシユリ、もてるじゃん」

茶化す立花さんに、ちょっと大輔は黙っててと言いながら

「うーん、誘ったりしたことないってこと?」と香織さん。


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