くれなゐ症候群
子どものころ、といってもそんなに前じゃないけれど。


手をつないで歩いている、お兄さんとお姉さんはカップルで、好き合っている人たちだと、そんなふうに見ていた。


そうとは限らないと、身をもって知ることになった。


ひたいとひたいをくっつけるように、顔が近づいてくる。


「ちょっと座る?」


和也が視線を向けた先をたどると、メッシュフェンスで囲まれた一角があった。
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