くれなゐ症候群
彼も、玄関口のほうに向かっているらしい。

階段を軽い足どりで下りてゆく。

奈緒もそのあとを続く。

踊り場を折れ、階段を一、二段下りたところで、なにかが彼の意識に引っかかったようだ。

視線がちらりとななめ上に向けられ、奈緒をみとめて足が止まった。

目はこちらにすえられたまま、表情は変わらない。

奈緒はゆっくりと階段をおりて、踊り場で立ち止まる。

上体をひねった修二と向き合うかっこうになった。
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