くれなゐ症候群
「あんたたち、どこ目当て?」

不意にけだるい声とともに、ふわりと香水の香りが鼻をくすぐった。

コトンとテーブルにグラスが置かれ、ひじをついてもたれてくる少女・・・いや、女の人。


一瞬、ぽかんとする千香と奈緒。


きれいな、人だ。

まずそう思った。

きつめに入れたアイライン。
蝶の鱗粉のように光を反射するアイシャドー。
セミロングの髪にひとふさ混じる、赤毛。
ハスキーな声。


どれも、彼女によく似合っている。
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