黒い心の片隅の、想いがあなたで消えた時
夏休みが明けた。
私は就職希望になったから、就職先を探さなくてはいけない。
だけど、高校教師になりたいと思っていたから、求人票で探してみてもピンとくるものはない。
「雫ちゃん、おっはよー!会いたかったよぅ~」
私にいきなり抱きついてきたのは玲奈ちゃん。
夏休み中、連絡はとっていたけど会うことはなかった。
と、いうより私が一方的に会うのを避けていた。
遊びの誘いは何回かきたけど、何かと理由をつけて断った。
こんなノリの悪い私でも、玲奈ちゃんはテンション高めに私に絡んでくれる。
そのいつも通りの感じにホッとした。
「おはよう。私も会いたかったのに、予定合わなくてごめんね」
そう謝ると、玲奈ちゃんは首を横にブンブン振る。
気にしなくていいよって笑顔で言われて、また罪悪感が募る。