黒い心の片隅の、想いがあなたで消えた時
こんなに優しいのに、私は自分を偽ってばかりだ。
「あれ?何見てるの?」
急に私の手元を見て、不思議そうな声を出す。
あ、求人票を見てたんだった!
ハッとして隠そうと思った時にはもう遅くて。
「雫ちゃん……就職するの?」
「あーっと、うん。そうなんだ」
「えぇ!?何で?雫ちゃんだったら絶対いい先生になるのに!」
私に顔を近づけて、そう言ってくれる玲奈ちゃんに胸がチクッと痛む。
そうやって私をいい人だと信じてくれる玲奈ちゃんの思いが、私の黒い心に消える。
玲奈ちゃんを裏切っているような気持ちになる。