黒い心の片隅の、想いがあなたで消えた時
「ただいま」
その声でハッとして我に返る。
気がついたら私は夕食の支度をしていた。
包丁でサラダ用だと思われるきゅうりを切っていた。
自分の無意識な行動に驚く。
ケガをしてもおかしくないレベルだ。
いつ学校を出て紬を迎えに行ったのか記憶がない。
だけど、家にいるということは私は普段通りの行動をしていたんだろう。
習慣って恐ろしい。
でもこれから、それより恐ろしい事態が起こるかもしれない予感が、さっきの声でしたんだ。
今日は本当に勘弁してほしい。