ぬくもり
優の怪我の具合は聞かないの?


何で怪我したか聞かないの?


優の事心配じゃないの?


優の事可愛くないの?




心のなかで、私はまた司に問いかける。


私の悪い癖。



優の為にも、全てをちゃんと話さなきゃならないのに勇気が出せない。



私に全てを話す勇気を下さい…。




この日、優をまた不安に陥れてしまったんだ。



優は、私の指を握り締めながら眠るようになった。



優は指をしゃぶりながら、もう片方の手で私の指を握り締め、あどけない顔で眠っている。



そんな優の頭を撫でながら、自分のしてきた事の愚かさに、涙が溢れ出してくる。



ごめんね、優。
ママは変わるからね。


絶対に、あなたの母親になるから…。



許してね。



自分の罪に泣くのは最後にしよう。


もう、なにがあっても優を虐待するような事はしない。



親から虐待を受けていたから、自分の子供を愛せないなんて、そんな訳ない。



私は優を愛してるから!



そんな悲しい連鎖は、私がいっぱい優を愛して断ち切ってみせる!



私の指を握り締めて眠る優を見て、自分に自信をつけようと言い聞かせる。



優は私を必要としてくれてる。



今日だって1番つらかったのは、痛い思いをしたのは優なのに、あんな小さな子が私の事を心配してくれて一生懸命に励ましてくれていた。


私は優に愛されてる。



私も優を愛してる。

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