ぬくもり
俺は、なんでもっと早くに気づけなかったんだろう。



どうして、俺は今まで優と触れあってこなかったんだろう…。



後悔が波のように、後から後から押し寄せていた。




「美沙、この間の話だけど…」



自分の気持ちに迷いがでない内に早く美沙に話さなきゃ…


俺は、優との離れがたさから決心が揺らぐ事を恐れ、早々に美沙に切り出した。


食事が終わり、片付けをしようとしている美沙を呼び止める。



「返事待たせて悪かった。

美沙の言うとおり離婚しよう。」



美沙は黙って頷いた。


その表情からは、美沙の気持ちを何も読みとる事ができない。



「原因は俺だから、できる限りの事はしたいと思ってる。

全部、美沙の言うとおりにするから…

どうしたらいい?」




「お金は一切いりません。

もちろん優の養育費も…

だから…

だから優には、もう会わないでほしいの。

優を通してでも、司と関わってしまうと気持ちがまた、乱されていきそうで…」



美沙は俯きながら小さく言った。



俺は愕然とした。

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