田舎に行こう
凹みかけたときに奈津が
話始めた。

「ありがとう!!
 歩くの超・だるくって。」
満面の笑みだった。
隆史は胸の中が暖かくなるのを
感じた。

「駅の手前まで乗せて・・・
 そこからは別々に行こう」
言いにくそうに奈津はそう続けた。

鈍感な隆史にも弘美のことを
気にしてるのは分かった。

「うん、わかった。
 じゃぁ、乗って!!」
極力、なにも考えてない風に
言った。
そうしなければ、奈津が気にすると
わかっていたから。
< 72 / 148 >

この作品をシェア

pagetop