向日葵の天秤が傾く時
「ありましたよ、ありまくりました!」


「砧怙さんがですね…!」



「2人とも落ち着きなさい…。所長、どうなりました?」



瞠屡と学未が状況を説明しようにも興奮し過ぎて文章にならない。


樺堀は2人を落ち着かせると共に薔次へ事情を伺う。



「ああ、それなんだが……。衢肖君、少し風にでも当たって外の空気を吸って来なさい。」


「………は、い……」



所長大好きと公言し、秘書として常に明るく笑顔な巫莵が今、弱々しく返事すら精一杯で青ざめている姿は一体誰が想像出来ただろうか。


出ていく後ろ姿に、誰も声を掛けることは出来なかった。



「所長良いんですか?衢肖さんを一人にして。」


「整理するには時間が必要だろう。私でさえ混乱してるんだ。」



好奇の目ではないが、皆から一旦離れた方が良いと薔次は判断した。



「あの…、衢肖さんのことはとっても気になりますが、一体何があったんです?」


「砧怙さんが訴えられそうなのよ。」



「訴えられそうって、理由は?」


「人を殴った傷害だって、さっき弁護士が来たんですよ。」



落ち着きを取り戻した瞠屡と学未は、卿焼と鮖へ説明をする。
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