悲 恋

★★離島へ


私は、直ぐに引っ越しの準備をして
温大先生と話して有休をとった。



私の行く島は、人口3500人の
小さな島だ。
どんな生活が、待って居るのだろう。

住まいは、あちらの役場の方が
準備してくれるみたいだ。

ここから、陸で五時間、船で一時間。

温大先生は、
「困ったことや
患者さんについての事も
なんでも、訊いて来い。」
と、言ってくれた。

潤天道赤十字病院と関わりのある
診療所のようだ。


あれから、院内で秀悟に会うが
こちらから、話しかけることは
なかった。

彼は、院内で色々言われたようだが
私は、感知しなかった。

無事に、島に着任した。

島の病院には、お産婆さんがいた。

松山 きえ先生だ。

すごく親切な方だ。
私の住まいは、
先生の家の隣だった。

一週間は、ゆっくりするように
言われたが、荷物も少ない私は、
二日目には、診療所に出社した。

島の人は、物珍しいのか
私を見に来ていた。

若いのに、こんな離島に来たのが
珍しいのか、なんかあってきたのか
って、好奇心から見に来てるようだった。

私は、気にせずに
診察をしていた。

きえ先生も、そんな私をみて
嬉しそうにしていた。



その頃、大学病院では、
秀悟が、私が病院を辞めたのを知って
大騒ぎしたみたいだが、
「お前に、なんの関係があるんだ
奥山を捨てたお前に!」
と、成澤先生に殴られたらしい。

温大先生が、
私の状況を訊き電話をくれた時に
その話を聞いた。

先生は、いつでも
私の為にしてくれる。

でも、病院側で問題にならなかったか
心配して訊ねたら
「その時は、その時だ。」
と、けろっと言われた。
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