授かり婚~月満チテ、恋ニナル~
「えっ……?」
思いがけない言葉に、私は思わず聞き返してしまう。
だけど、来栖さんは私に答えるのではなく、ただ独り言を続けるかのように小さく唇を開いた。
「彼女の部屋に行ったらさ。ベッドで俺の知らない男とまさにヤッてる最中……。さすがに驚いて、むしろ全然現実的じゃなかったな……って。ごめん。女の子にこんな話」
そう言って口元を隠すように手で押さえる。
私に聞かせるのを憚るようなその気遣いに、私はやっと質問を許された気がして、「あの」と思い切って言葉を挟んだ。
「わ、私なら大丈夫です。私でよければ聞きますから話してください。それって……彼女の浮気が別れの原因ってことですよね……?」
最後はさすがに躊躇いながら問いかけると、来栖さんは目を伏せたまま小さく何度か頷いた。
そして、壁に預けた背をわずかにズズッと下に滑らせ、がっくりとこうべを垂れる。
「そういうことになるかな」
「そんな……。あの……私、なんて言ったらいいか……」
正直なところ、『失恋』した来栖さんにどう声を掛けていいかわからない。
上手い言葉が浮かんでくるほど、私は恋愛慣れしていない。
いや、むしろ……ほとんど未経験と言っていいくらいだから、ただ話を聞いて来栖さんの気持ちが少しでも晴れてくれればいい、そう願うしか出来なかった。
けれど。
思いがけない言葉に、私は思わず聞き返してしまう。
だけど、来栖さんは私に答えるのではなく、ただ独り言を続けるかのように小さく唇を開いた。
「彼女の部屋に行ったらさ。ベッドで俺の知らない男とまさにヤッてる最中……。さすがに驚いて、むしろ全然現実的じゃなかったな……って。ごめん。女の子にこんな話」
そう言って口元を隠すように手で押さえる。
私に聞かせるのを憚るようなその気遣いに、私はやっと質問を許された気がして、「あの」と思い切って言葉を挟んだ。
「わ、私なら大丈夫です。私でよければ聞きますから話してください。それって……彼女の浮気が別れの原因ってことですよね……?」
最後はさすがに躊躇いながら問いかけると、来栖さんは目を伏せたまま小さく何度か頷いた。
そして、壁に預けた背をわずかにズズッと下に滑らせ、がっくりとこうべを垂れる。
「そういうことになるかな」
「そんな……。あの……私、なんて言ったらいいか……」
正直なところ、『失恋』した来栖さんにどう声を掛けていいかわからない。
上手い言葉が浮かんでくるほど、私は恋愛慣れしていない。
いや、むしろ……ほとんど未経験と言っていいくらいだから、ただ話を聞いて来栖さんの気持ちが少しでも晴れてくれればいい、そう願うしか出来なかった。
けれど。