授かり婚~月満チテ、恋ニナル~
クッと小さく肩を揺らして、彼は顔を俯けたまま笑った。
そして、
「気遣いならいらないよ。……正直なところ、そういう意味では全然ショックじゃないんだ」
静かにそう続けた来栖さんに戸惑って、私はただ、彼の横顔を見つめた。
「アイツらも言ってた通り、俺……彼女とは七年の付き合いでさ。もうそろそろか、って感じで結婚も考えてた。なのにさ。……たった一回の裏切りを許せなくて。全然冷静になれなくて、その場で彼女に『別れよう』って言ってた」
どこか自嘲気味に、吐き捨てるような来栖さんの口調に、私はただ無意識に何度も首を横に振っていた。
「そんな。許せなくて当然ですよ。だって、来栖さんは彼女のこと愛してたから……」
「もう愛してなかった。多分。その時初めてそう気付いたんだ」
私の言葉を遮りはっきりそう言う来栖さんに、私は口籠ったまま、なにをどう話していいのかわからない。
「付き合い始めた時の感情はもうずっと前に色褪せていた。それでもただ惰性で付き合い続けてきて、なんとなく時期が来たから結婚……なんて。よく考えたら、彼女にも失礼な考え方してたってこと、俺、初めて自覚したんだ」
「……」
そして、
「気遣いならいらないよ。……正直なところ、そういう意味では全然ショックじゃないんだ」
静かにそう続けた来栖さんに戸惑って、私はただ、彼の横顔を見つめた。
「アイツらも言ってた通り、俺……彼女とは七年の付き合いでさ。もうそろそろか、って感じで結婚も考えてた。なのにさ。……たった一回の裏切りを許せなくて。全然冷静になれなくて、その場で彼女に『別れよう』って言ってた」
どこか自嘲気味に、吐き捨てるような来栖さんの口調に、私はただ無意識に何度も首を横に振っていた。
「そんな。許せなくて当然ですよ。だって、来栖さんは彼女のこと愛してたから……」
「もう愛してなかった。多分。その時初めてそう気付いたんだ」
私の言葉を遮りはっきりそう言う来栖さんに、私は口籠ったまま、なにをどう話していいのかわからない。
「付き合い始めた時の感情はもうずっと前に色褪せていた。それでもただ惰性で付き合い続けてきて、なんとなく時期が来たから結婚……なんて。よく考えたら、彼女にも失礼な考え方してたってこと、俺、初めて自覚したんだ」
「……」