クールな御曹司の甘いお仕置き
この手を外して何とか逃げなくちゃ。

優君の手を外そうとするが、余計にギュッと抱き締められて抜け出せない。

「また家出する気か?だが、その格好じゃあ、うちから一歩も出れないな。最初に言っとくけど、昨日俺はお前抱いてないから」

優君の冷たい声が耳に届くと、私の身体がビクッとなった。

ああ……最悪。優君、もう起きちゃったよ。

抱いてないって聞いて罪悪感は少し減った。

でも、待ってよ。

まだ私……優君と話す心の準備なんて出来てない。

どうする?どうする?

振り向かず黙ったままでいると、再び優君が言った。

「あと、お前誤解してるみたいだけど、社長秘書の朝井さんとは何もないから」

「嘘だ!」
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