クールな御曹司の甘いお仕置き
仕方なくお袋にメールで連絡すると、一時間後にお袋から電話がかかってきた。

「はい」

すぐに電話に出るが、お袋の声はエコーがかかっていて聞き取りずらかった。

『優?悪いけど、今ニースの別荘に友達と来てるのよ。お父さんも海外出張でいないし、あの家に美緒ちゃんひとりだと心配だから、優のとこにいてもらった方がいいわ』

この時期に海外なんて……タイミング悪いな。

お袋の説明にチッと舌打ちしたくなるのを堪える。

「わかったこっちでなんとかする」

『美緒ちゃんには優しくね。あの子、辛いところは決して人には見せないから、優がちゃんと察してやるのよ』

「ああ。わかってる」

美緒は普段ヘラヘラしているが、人には弱味を見せない。
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