クールな御曹司の甘いお仕置き
京介には『キツく怒るなよ』って言われたが、今すぐ叩き起こして小一時間は説教したい気分だ。

ブチッと何かが俺の中で切れて……。

「お前見てるとムカつく」

いくら幼馴染みだからって……少しは危機感持てよ。

俺はソファーの背もたれに手をついて身を屈めると、美緒に顔を近づけて彼女の唇を奪った。

リンゴのように色づいたその綺麗な赤い唇。

微かに香る俺と同じシャンプーの香り。

絹の糸のように美しい黒髪に、透き通るように白い肌。

そそられずにはいられない。

こいつの美しさに狂わされる。

他の女が裸で寝ていても、こんなに心が乱れることはない。

頭の中では“止めろ”って声がするのに、キスを……止められなかった。

「う……ん」

美緒が吐息を吐くと、俺はハッと我に返った。
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