クールな御曹司の甘いお仕置き
いつだって出来の悪い妹みたいな扱い。

優君は私を怒る戦法を変えてきた。

確かにこれは……怒鳴られるより、精神的ダメージが大きい。

ああ、もう、暗くなるな。

大きな月のパネルを眺め、私はまた月に願う。

優君の家にお世話になるなら、まだチャンスはあるかもしれない。

いつか奇跡が起きて優君が私のことを好きになってくれますように……。

「よし、今日も頑張ろう!」

バチンと頬を叩いて自分に気合いを入れる。

ベッドを出てバスルームに行こうとしたが、首筋の噛み跡がヒリヒリして思わず手で噛み跡をなぞった。

さっきのキスですっかり噛まれたことを忘れていたが、意識すると地味に痛みを感じる。
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