クールな御曹司の甘いお仕置き
京介から視線を逸らし小声でこいつの言葉を否定すると、俺は唇をギュッと噛み締めた。

「だったらさあ、僕が結城さん口説いてもいいよね?」

京介の目が楽しげに光る。

意外なこいつの発言に俺は驚いて目を見開いた。

「駄目だな。お前結構女癖悪いし、次男だけど跡目相続でもめてるだろ?それじゃあ、美緒は幸せになれない」

俺が頭を振ると、京介は声を上げて笑った。

「優は誰でも許さないんじゃない?そんなんじゃあ、結城さんは一生結婚出来ないよ。でも、優と結城さんは血の繋がった家族でもないし、優に結城さんの結婚相手を決める権利はないと思うけど?」

「……あるさ」

俺は拳を握り京介に反論する。

「俺は亡くなった美緒の母親に美緒のことを頼まれたんだ」

美緒の母親が息を引き取る前日、俺はひとり病院に見舞いに行った。

病気で痩せ細ってしまった身体。
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