クールな御曹司の甘いお仕置き
見るのも痛々しくて、なんて言葉をかけていいのかわからなかった。

でも、美緒の母親は自分が死ぬことを知っていたのだろう。

俺の手を強く握り言ったのだ。

『優君、美緒のこと頼むわね。あの子そそっかしいとこあるから』

『大丈夫ですよ。俺が必ず守ります』

俺は美緒の母親の目を見て一言一句はっきり告げた。

『しっかり者の優君が美緒の側にいてくれるなら、おばさん安心だわ』

ホッとした顔で美緒の母親は笑った。

娘のことが一番気ががりだったんだと思う。

それが、俺と美緒の母親との最後の会話。

「なるほどね。だから、結城さんの両親の代わりに結城さんを守ろうとしてるのか。結城さんの父親はギャンブル好きで困った人みたいだし。でも……優はさあ、もっと自分の気持ちに正直になった方がいいよ。親じゃなくても結城さんは守れるんだから」
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