クールな御曹司の甘いお仕置き
「はい!」

返事をして直立不動の姿勢を取る美緒。

だが、俺の顔を見ると、へらへら笑った。

「何だあ、優君か。もう驚かさないでよ」

この緊張感のない顔。

こいつ……全然わかってない。

「お前……そんな格好で外に出るな」

「だって蒸し暑くって。近所だしいいじゃない」

この無自覚女。

「襲われたって文句は言えないぞ」

美緒を見据えて注意すれば、こいつは能天気にもハハッと声を上げて笑った。

「ホント、優君は昔から心配性だね。私を襲うもの好きはいないよ」

……この変な自信はどこから来るのだろう。

いつもヤキモキしてる俺が馬鹿みたいだ。

怒るのがアホらしくなってきた。
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