不器用な二人はあまのじゃくの関係
遠足です。
「きりーつ。れーい」

「はい、明日は遠足だぞ!お菓子は500円までなー」

「えーそれはきついわ(笑)」

「何着てくー?」

みんなざわざわし始めた。あれからもう1週間。遥太のことをずっと避けてきた。遥太も遥太で私に話しかけることもないまま時間が過ぎた。

「おーい、杏奈」

「ふへ?」

「なんでそんなしなびてんのよ。あんたは枯れもやしか」

「うーん、そうだよ。枯れもやし…ってちゃうわ」

「げーんきないねぇ。そんななるくらいなら遥太と話せばいいのに」

「そんな簡単に言わないでよぉ」

「とりあえず帰りにお菓子買って帰ろ!」

「部活は?」

「今日はなんと、なんと!休みなのでーす!」

「やったー!一緒に帰るの久しぶり!」

「はいはい、元気になりましたかー?」

「なりました!!」

私はそう言って敬礼のポーズをした。
遥太のことなんてすっかり忘れきっていた。
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