不器用な二人はあまのじゃくの関係
「帰りますかー!」

「帰りまーす!」

テンション高いまま私と優梨は学校を出た。


「ねぇねぇ、なんのお菓子にするー?私は、チョコレートとー、あとクッキーも食べたいなぁ〜。あ、あとねおせんべいは欠かせない!ふふふ」

「あんたはほんとに単純ねぇ。」

「ん?なんでー?」

「ううん、杏奈のそういうとこ好きよ。」

「私も優梨すきーっ」

「気持ち悪いからくっつかないの、もー」

「いいじゃーん」

「「あ、」」

私と優梨の声が重なった。
私たちはいつの間にかコンビニに着いていて、そこには煌大くんがいた。

「あれから一回もしゃべってないよ私。」

「じゃあ、班変えたのも知らないのかな、杏奈氏」

「そのようです。優梨氏」

「ちょっとあんた話したことあるんだから言ってきてよ」

「優梨も同じ班になったんだからしゃべる練習するのに言ってきてよー」

「練習なんてしなくてもしゃべれるわよ私は!」

「じゃあ今日が本番ってことで言ってーっ!」


「ふはは、声大きいよ二人とも。丸聞こえ(笑)」

「か、梶原くんこんにちは!こんばんは!おはようございます!!!」

「川井さん、今はこんばんはの時間かな」

「そうでございましたか!こんばんは!!」

「班変わったのは知らなかったな。でも川井さんと一緒でよかったよ。小野さんたちしつこかったから。」

「勝手に変えちゃってごめんね?」

「いやいや、ある意味ありがとうってくらいだよ」

「私からも謝る。ごめんね」

「大丈夫だよ。あー、と優梨さん?ごめん、川井さんが名前で呼んでるのしか聞いたことないから。」

「いやいや優梨でも優梨様でもなんとでも呼んで!!!」

「優梨、例えがおかしいよ。」

「あ!パニクった。ごめ」

「あはは、ほんとおもしろいね君たち」

「あ、ありがとう…えへへ」

「梶原くんもしかして明日のお菓子買いに来たの?」

優梨が聞く。いや、さすがに梶原くんがお菓子って。

「そうそう。お菓子ってかチョコレート買いに来た。好きなんだ」

そう言って梶原くんは少しフッと微笑んだ。

きゅうん

か、かっこよすぎるよその笑顔…

「ゆうりぃ〜」

「あんなぁ〜」

お互い向かい合った言う私たちはたぶん考えてる事は一緒なんだろう(笑)

「じゃあまた明日」

「う、うん!またね!」

「また!」

梶原くんが言ったあと私たちはあわてて返事をした。


梶原くんが見えなくなって第一声は二人とも同じで、

「かっこいい〜♡」

そのあとはずっと梶原くんの話題で盛り上がってしまいました。家に帰っても、

『好きなんだ』

「いやぁーん」

あの笑顔が忘れられません〜♡


遥太のことは頭の隅にもなかったくらい梶原くんのことを考えていた。
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