不器用な二人はあまのじゃくの関係
これから係をきめます。
入学式も終わり、教室に戻ってきた私たち。

担任の先生も一緒に入ってきた。

「さっそくだが、これから係をきめます。まずはクラスの委員長と副委員長と書記と会計をきめます。誰かやりたいやつはいるか?」

私は優梨とやりたいからこーゆーのはやだなぁ。

そう思っていたら

「はい!私委員長やる」

見た目はお世辞でも真面目そうとは言えない派手めな女の子が手を挙げた。

「茉莉愛(まりあ)やるならうち書記ー」

茉莉愛ちゃんっていうんだ。書記に立候補した女の子も派手め。

「私のことだいすきかよ〜。」

わいわいやってるけどこの人たちだと進まなさそうだなぁ。私はやりたくないもん何も言えないけど。

「じゃあ、小野 茉莉愛(おの まりあ)さんが委員長で篠原 凜(しのはら りん)さんが書記でいいか?」

「「はーい」」

みんなやりたくないからてきとーな返事をする。

「副委員長と会計は…誰かいないか?」

「隼人(はやと)やればいいんじゃね?」

茉莉愛ちゃんがふざけたように言う。

「はー?めんど。まぁ響哉(きょうや)もやるなら考えるかな〜?」

「は?おまえなぁ。………しゃーねーなぁ」

「さっすがふたりともノリいい〜!」

派手めな男の子と女の子がわいわいしている。

「じゃあそういうことでこの四人でいいな?」

「「はーい」」

なんか、決まるのはや。遥太は何やるんだろ。

「ねぇ、川井さん」

「わぁ!へ?」

「後ろから見てて全く動かないから大丈夫?」

「あ、うん。ありがと」

ぼーっとしてたみたい。いつの間にか先生は話を終え、プリント類を配っていた。

「川井さんって名前なんていうの?」

「あ、杏奈だよ」

「そっか、俺は斎藤 陽太(さいとう ようた)。陽太って呼んでね。名字で呼ばれるの好きじゃないんだ」

「うん!わかった!陽太くんね!……って、えぇ!?」

「おい、そこうるさいぞ。」

「す、すみません」

「おまえら、えっと……斎藤と川井、罰として遠足の係をやれ」

うそぉ。。

「わかったか?」

「は、はい」

そりゃ大声だすよ、だって陽太くんって…名前一緒じゃん。

「ごめんね、杏奈ちゃん」

「ううん!大丈夫!がんばろうね」

私は優梨の方を泣きそうな目で見る。

優梨は苦笑いしている。

私は入学初日からいろいろやらかしている気がする。
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