不器用な二人はあまのじゃくの関係
練習試合で汗だくになったのでお風呂に入り、頭を乾かし部屋着に着替えた俺は杏奈の家に向かう。
晴美さんは俺にいつものテンションで対応した後杏奈の部屋に案内してくれた。
「……杏奈…?」
尋常ではない量の手汗が出る。
自然に声が小さくなった。
「あれ?遥太?今行こうとしてたのに」
そう言って杏奈はいつも通りの表情で部屋のドアを開けてくれた。
Tシャツにショートパンツのいつも通りの部屋着すらも愛おしく感じてしまう。
杏奈を連れて俺の部屋に向かう。
その間、ふたりとも無言だった。
俺の部屋に着いても無言の空間が続き、激しく脈打つ心臓の音が杏奈に届いてしまいそうだ。
言うぞ。