真愛



エントランスに居る護衛さんには話は通してあるから心配はない。

行ってきますと声をかけて瑠依との待ち合わせの場所に向かう。

そこは駅の近くにあるカフェ plage(プラージュ)。

聖藍と知り合いの人が経営していて、みんなもそこで働いてるらしい。

暴走族を雇うとこなんてそこしかないらしい。

知り合いだから融通も聞いて、働きやすいんだとか。

中に入ると、結構繁盛していて賑わっている。

瑠依が私に気づき、飛びついてくる。

「なっちゃーーーんっ!なっちゃん、なっちゃん!!」

「今日も元気ね?」

頭を撫でると、猫のように心地良さそうな顔をする。

その様子に気づき、聖藍のみんなも寄ってくる。

会うのは話し合い以来かな。

まだちょっと体が震えるけど、大丈夫。

尊のためなら頑張れる。

「久しぶりだな、奈々」

ちょっと遠慮がちにいう瀧。

倉庫にいる時では考えられないような姿で、思わず吹き出す。

「ふふ、普通に話して?私も気遣うわ?」

「そうだな。すまない」

「来てくれないかと思っていました」

ちょっと申し訳なさそうにいう悠月。

そりゃ、もう会いたくないなんていっちゃったものね。

罪悪感が強いのは悠月も同じね。

「お金が必要なこともあるけど、ずっとわだかまりがあってもお互い前に進めないもの。気を遣わないで接して?」

「はい、わかりました」

「お、その子がお前らのお気に入りの嬢ちゃんか?」

奥から出てきたのは20代後半に思える長身の男性。

赤髪を肩の下まで伸ばし、それを後ろで結んでいる。

落ち着いた雰囲気が出ていて、お兄さんって感じ。





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