真愛
「緑(りょく)ちゃん!紹介するね、僕のお姫様の初瀬 奈々ちゃん!可愛いでしょーっ!」
まるで自分のことのように紹介する瑠依。
何だか弟みたい。
緑ちゃんと呼ばれたその人は、私の顔を見て目を丸くする。
「まさか嬢ちゃん…繁華街の蝶か?」
「確かその名前で有名だったよな」
颯がふと声をもらす。
聖藍にも情報流れてたのね。
「ありゃただの噂と思ってたが…本当にいたんだな。めちゃくちゃべっぴんさんじゃねぇか!」
「いえ、そんなことは」
「すまねぇ、紹介が遅れたな!俺はここのオーナーで葛城 緑(かつらぎ りょく)だ!コイツらの兄貴みたいなもんだ!よろしくな!」
ニカッと爽やかに笑い、握手を求めてくる。
「これからお世話になります、よろしくお願いします」
そういって握手を交わした。
とりあえずエプロンを借りて、ホールで注文を運ぶことになった。
運ぶたびに男の人だけでなく、女の子にも番号を聞かれたりした。
こんなこと初めてで戸惑ったけど。
分からないこととか困ったことはすぐ皆が教えてくれたりしたから、何事もなくバイトを終えることが出来た。
「あ、そろそろ私あがらなきゃ」
「お、そーかそーか!1日お疲れさん!明日も出勤するか?」
緑さんに聞かれ、明日だけは休みをもらった。
ドレス作りに行くだろうし。
その他はフルで出勤することにした。
2週間は休み無しで働かなきゃね。
みんなに挨拶して足早に店を出る。
急いで帰らなきゃなー…。
するとポケットに入っている携帯が震える。
楽からメッセージが入ったみたい。
見てみると、今会社から出たという連絡だった。
ちなみに楽も協力者の1人。
雪乃から話を聞いたらしい。