失恋にも浸れない!〜私、王子様の彼女になったんですか!?〜
そう言って素で叫べば、

私の手を握って
そのまま歩きだす。



「ちょっと!!もう止めたんだから、手とか離して!」


そう言った私に、


「お前、こんな所で叫ぶなよ。部活やってる奴いんだからさ。」


そう言われ、

周りには人はいないけど、すぐ前が体育館だから、いつ人がくるかわからない。

なので、とりあえず和泉と同じ方向に歩き出す。



「……とにかく、手。」

そう言えば、

「まだ、別れてない。だから、離す必要ねーだろ。」



そう言って、そのまま機嫌の悪い和泉は、私の手を引いたまま正門の方へ向かって歩いてく。
< 169 / 199 >

この作品をシェア

pagetop