失恋にも浸れない!〜私、王子様の彼女になったんですか!?〜
同じ場所

そう意気込んで
体育館を前にした私の前に……



「随時楽しそーじゃん?」



そう言って、
久しぶりに話かけられた割には



ものすごく機嫌の悪そうな和泉が体育館の前にある大きな木の幹に寄りかかるように立っていた。



「……何してんの。」

「夏木がバレー部見にこいってな。」


……なっちゃん。


「ついでに、仲直りしてね、だってさ。」


……。


「……あぁ。そーいう事か。なら、いっか。帰るよ。」



そう言って、そのまま体育館じゃなく、
正門の方向へ行こうとすれば、



「お前なんなの?」

って。




……

……は?

なんなの……

なんなのは……




「あんたじゃんか!!」

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