失恋にも浸れない!〜私、王子様の彼女になったんですか!?〜
そのまま少し歩いて入れば、

俺の方が歩調が早く、

その彼女達を追い抜くように横を通り過ぎようとすれば、


その笑顔の可愛い彼女の頭と
俺の鞄が少しだけぶつかった。




「あ、悪い!」

「あ、いやいや、こっちこそ、ごめんなさい!」



そう言って、
頭を下げて謝る。



「いや、俺があたった訳だから。ごめんな。」


そう言って謝れば、
下がっていた頭があがり、

まっすぐに下から
俺を見つめる瞳に俺が映る。


その瞳があまりにもまっすぐで
引き込まれそうになる。




「……本当、ごめんな。ん、じゃ。」




そう言ってそのまま、歩き出せば、

後ろで、
その笑顔の子の友達が



「カッコイイね!!やったじゃん!!」



小声ながら、
そう言ってるのが聞こえた。


そして、
笑顔の可愛い女の子は


「は?全然。どこが?ってか頭痛いし。これ以上馬鹿になったらどーしてくれんだっての!!」




って……。

はは。

俺、

そこそこモテる方だけど(笑)





「陽、ちょっと声デカいって!」

後ろを振り返って、
もう一度、


「ごめんな。」って笑ってやれば、


気まずそうに、



「あ、いや/////あの……」



そう言って俯きながら
赤くなる顔。



……。




「お互い受かるといいな。」




そう笑って言ってそのまま、
俺は前を向いて歩きだせば、

後ろの女の子達の声は
もう、聞こえなかった。
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