アベコベ☆ボーイミーツガール
「あのさ、あんた楽しいわけ、こんなことして」

私はぐったりしてはじめに手を引かれている。

「ん〜?楽しいよ。あかりさんが困ってるのをみると本当に笑えちゃう」

「悪魔。私、あんたに何かした!?」

はじめはふと手を離し、私の方を向いた。夕日がはじめの背にあり、私は目を細めた。

「したよ」


その声はいつものおちゃらけた声なんかではなかった。逆光ではじめの顔がどんな顔か見えない。

「なにを…」

理由を聞こうとした時、

「あかりさん、隠れて!こっち!」

はじめは私の手を引いて路地裏に入った。

「な、なんなの!?」

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