アベコベ☆ボーイミーツガール
「あの〜、あかりさん…?」

はじめのいつもより低姿勢な声に私は振り向きもせず言い放つ。

「知ってたの?」

「えっと、いや、詳しくは知らないけど、彼氏がいることは…」



私の中からずっと長い間溜まっていたものが膨れて今、音を立ててはじけた。

「私、初キスだったんだよ」

「え!?今その話!?」

「私…気持ち悪いってあんたは言うかもだけど




初キスが唯だったって思ったら、嬉しくて眠れなかった」



わたしの顔を見てはじめが、目を丸くする。

「あ、あかりさん、俺、」


「来ないで」


わたしを引き寄せようとするはじめを振り払い、わたしは飛び出した。

< 19 / 50 >

この作品をシェア

pagetop