距離0センチ
「てか、"もっと"ってなに」
もっと顔赤くなったって言ったよね!?
「え~紫乃先輩、ずっと顔赤かったですよ」
そう言われて、否定できないことなんて分かってる。
だから思わず顔を背ける。
「紫乃先輩?こっち向いてください」
「……」
優しい声にそう呼ばれれば、向いてしまう。
本当に、立花君には敵わないなあ。
「紫乃先輩は嫌でしたか?手を繋いだり、連れ出したり……」
ちょっと不安そうに聞いてくる。