距離0センチ



おにぎりを立花君の口へ近づける。



口が開く。


唇の間から覗く赤い舌と、綺麗に並ぶ白い歯に、私は釘付けだった。



パクっと噛み付いた一口の大きさに、男の子らしさを感じた。



「美味しいです!」


「そっか、良かった」



立花君の言葉が頭にちゃんと入ってこなくて、ぼんやりと返事する。




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