オオカミ専務との秘めごと

「もうすぐ、出前が来る」


そう言って立ち上がった彼の予言通り、玄関のチャイムが聞こえてきた。

まもなく紙のケースを手に戻ってきた彼が、テーブルの上に料理を並べていく。


ケータリングというんだろうか。

サンドイッチにから揚げチキン、生ハムやチーズのオードブル、サイコロステーキにサラダ。

まるでパーティみたいな量で、テーブルの上がお皿でいっぱいになった。


「すごくたくさんありますね」

「何が好きか分からんから、食べやすいものを全部頼んだからな。遠慮せずに食べろ」


たくさんあるし、残してはもったいない。

そう思い、ひたすらもぐもぐと食べる。

どれもこれもおいしくて、頬がとろけそうになる。


「んー、このサイコロステーキ、すごく柔らかいですよ。おいしいです!食べてみてください!」


自信をもってオススメすると、隣からクスッと笑う声が聞こえてきた。

そうか。大神さんはいつも食べているんだっけ。


「お前、食いっぷりがいいな」

「あ・・・」


大神さんのセリフを聞いて、合コンでの苦い経験を思い出した。

もう名前も忘れてしまったけれど、あの人にそう言われたっけ。


< 126 / 189 >

この作品をシェア

pagetop