オオカミ専務との秘めごと
「もうすぐ、出前が来る」
そう言って立ち上がった彼の予言通り、玄関のチャイムが聞こえてきた。
まもなく紙のケースを手に戻ってきた彼が、テーブルの上に料理を並べていく。
ケータリングというんだろうか。
サンドイッチにから揚げチキン、生ハムやチーズのオードブル、サイコロステーキにサラダ。
まるでパーティみたいな量で、テーブルの上がお皿でいっぱいになった。
「すごくたくさんありますね」
「何が好きか分からんから、食べやすいものを全部頼んだからな。遠慮せずに食べろ」
たくさんあるし、残してはもったいない。
そう思い、ひたすらもぐもぐと食べる。
どれもこれもおいしくて、頬がとろけそうになる。
「んー、このサイコロステーキ、すごく柔らかいですよ。おいしいです!食べてみてください!」
自信をもってオススメすると、隣からクスッと笑う声が聞こえてきた。
そうか。大神さんはいつも食べているんだっけ。
「お前、食いっぷりがいいな」
「あ・・・」
大神さんのセリフを聞いて、合コンでの苦い経験を思い出した。
もう名前も忘れてしまったけれど、あの人にそう言われたっけ。