オオカミ専務との秘めごと
「普通の女は、男の前で、そんなにガツガツ食わんだろう」
「それ・・・よく言われます」
出されたものは、できる限り全部食べるのが信条。
食べきれないものは持ち帰りを試みることもある。
それは、ただの貧乏性というか、もったいない精神というか。
大神さんには、理解できないことだろうな・・・。
「まあ、そういうところも、いいんだがな」
「・・・へ?」
今、思わぬ言葉が混じっていた気がして、大神さんを見ると缶ビールをぐいっとあおってテーブルに置いた。
「だから、お前に決めたんだ。最初にそう言っただろ?」
私の頭をくしゃっと撫でて、覚えているか?と訊くので、何度も頭を縦に振った。
すると彼は満足そうに微笑み、テーブルの下からリモコンを取り出した。
向かい側にある壁に向かって操作をすると、つるんとした壁の中から大きなテレビが現れて画面を映しだす。
魔法みたいな仕掛けだ。
「あんなところにテレビが・・・?」
「普段あんまり観ないから隠してある。今ちょうど映画をやってるな。観るか?評価の高かったものらしいぞ」
始まったのは青春映画で、つい最近まで公開していたものらしい。
映画と言ったらホラーしか観たことがないので、青春映画は新鮮に映る。