オオカミ専務との秘めごと
けれど心の機微を描いた、視覚や聴覚の刺激が少ないものは退屈に感じてしまう。
やっぱりホラー系の『来る!ここで絶対出る!』みたいな、ドキドキワクワク感がほしいと思う。
大神さんに失礼のないように頑張るけれども、適度なアルコールも入っていることもあってだんだん瞼が重くなってきた。
折しも時間はいつもベッドに入っている頃。
うとうとしてしまうのは長年の習慣で、前回一緒に飲んだときもこんな風だったなとデジャヴを感じつつ、ちょっとだけのつもりで目を閉じる。
「おい、眠いのか?」
「・・・はい・・・少し」
頬にぬくもりを感じ、唇に温かいものが触れている。
パッと目を開けると、大神さんの顔が密着していた。
驚いて離れようと試みると強く抱きしめられて、舌が侵入してくる。
上あごを舌先で撫でられて舌を吸われ、体がゾクゾクと震える。
二回目のキスは深く、息苦しいほどに濃厚で・・・。
息が上がって何も考えられなくなったとき、ようやく彼は離れていった。
二重の目が獣のようにキラリと光っている。
「これで目が覚めたか」
「あ、はい・・・すみません」
恥ずかしくてまともに顔が見られない。
彼はスッと立ち上がってリビングから出ていった。
呆れて怒ってしまったんだろうか。
お仕事中なのに彼より先に寝てしまうなんて、私ったら本当にバカだ・・・。
盛大にへこんでいると、ぽんと、黒いスウェットが手渡された。