オオカミ専務との秘めごと


今は、そんなことを考えるのは止めよう。

とにかく精一杯勤めるしかないんだから。


五分経っても十分経っても、テーブルの上のピンクスマホはウンともスンとも言わない。

やっぱり彼は、忙しくてスマホを見る時間もないのだ。

メールが来るように念を送っていてもしょうがないので、今夜は諦めて寝ることにする。


するとベッドに入る寸前、ピンクスマホがブーン!と大きな音を立てた。

びっくりしながらも振り向けば、画面には待ちに待ったメール着信の表示があった。

ウキウキしながらメールを開くと『分かった』と一言だけ書かれている。


「うーん、たった四文字か・・・」


分かったっていうのは、何に対しての返信なんだろうか。

最後の一文の『ご連絡ください!』だけのような気がする。

疑問符に対しての答えは何もない。

男性とのメールのやり取りって、これが普通なんだろうか。

弟の雄太とだってもう少し会話ができるのに。

それとも大神さんが忙しいから?

でもそういえば、お仕事依頼のメールも短い文面だから、これが普通なのかもしれない。

でも・・・まあいいか。

とにかくメールを見て返事をしてくれたんだから、きっと近いうちにお仕事をもらえるはず。

ホッと安心できたおかげで、その夜はぐっすりと眠ることができた。


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