オオカミ専務との秘めごと
「へぇ、女の友情?」
仰ぎ見ると長谷部さんが丸めた書類らしきものを持って笑っていた。
「頑張って、とは。三倉はいったい何の応援してんの?」
「・・・あなたには関係ないお話です。もうすぐお昼やすみ終わりますよ。フラフラしてないで早く二課に帰ったほうがいいですよ」
佐奈が睨むように見ながら言うと、長谷部さんは丸めた紙を少し振ってみせた。
「俺は、楢崎主任に用があって来たの」
「じゃあ、早く済ませて行ってください」
「冷たいなあ。俺も、三倉に応援してほしいんだけど?」
長谷部さんは私のデスクに手をついて、佐奈にぐっと近づいた。
挟まれた形になった私は所在に困り、できるだけ壁際に寄る。
「長谷部さんには、両手じゃ足りないくらい、たくさんの可愛い子たちがいるでしょ。その子たちに応援頼んでください」
私じゃなくてもいいでしょと言って、ふいっと横を向いた顔が少しだけ赤く見える。
「へぇ・・・三倉、もしかして妬いてんの?」
「だ、誰が。そんなこと、ありませんから!ほら、チャイムが鳴りました!」
行ってください!と追い出すように言って、佐奈は自分のデスクまで戻った。