オオカミ専務との秘めごと
長谷部さんは、わかったよと言って楢崎さんのデスクに向かい、佐奈は書類をめくっている。
彼女に迫る長谷部さんは色気があって、他人事ながらドキドキしてしまった。
毎回あんな風に迫られているんだろうか、美人は大変だ。
そして、嫌われているのにめげない長谷部さんはメンタルが強い。
それとも嫌われてると気づいてないんだろうか?
休み時間が終わるとすぐに部内の電話が鳴り始めたので、私も頭を切り替えてアンケートの集計に取りかかる。
残りはあと数店舗を残すのみ。
集計が終われば店舗ごとにグラフ化したデータを楢崎さんに渡して終了だ。
ご意見ご要望の欄に書かれていることは私の仕事ではないが、たまに辛口コメントが書かれているので、そういうのはメモって楢崎さんに報告する。
毎回「わかった」と言って受けとってくれるだけだけど。
カウントした数を集計ソフトに入れていると、長谷部さんが二課に戻っていくのが見える。
途中で女子社員に話しかけて笑っていて、女子が大好きな感じだ。
彼は佐奈のことは、本気で好きじゃないんだろうか。
隣を見ると佐奈は長谷部さんを気にしていない様子。
私も考えるのをやめ、そのあとは仕事に没頭した。