オオカミ専務との秘めごと
朝に一度チェックしたきりで放置していたメールの受信箱を開くと、総務課から社内報が届いていた。
添付のPDFファイルを開くと、トップページに『ドイツのソーセージマイスター・ゲルハルト氏来社!』の見出しがある。
その下に、金髪男性と握手をして笑う大神専務の写真が載っている。
そっか、先日のニアミスは、ゲルハルトさんの接待中だったんだ。
社員食堂を見たいと希望されて、きつねうどんとおにぎりを食されたとある。
ゲルハルトさんが箸を使って食べる写真もあって、にこにこ笑う表情はすごく楽しそうだ。
今回来られたのは、わが社のオーガニックレストラン『ハイルング』と港近くにある食品倉庫の視察をするためとある。
専務がドイツ滞在中に食べたゲルハルトさんのウインナーの味に魅了され、是非日本でも販売したいとコンタクトを取るも「作りたてを食してもらうのが信条」とあっさり断られたという。
それを粘り強く何度も交渉し続け今回の来日に繋がったとある。
ゲルハルトさんが作るウインナーはミュンヒナー・ヴァイスヴルストというもので、子牛肉を使った白いソーセージ。
香草を混ぜて作るもので、時間が経つと味が落ちるそうだ。