隣の部屋と格差社会。



どうやら彼女は恵美の保育園の保育士で、美奈子とも面識があるらしい。


どういう経緯でそうなったかは分からないが、恵吾の話も聞いたという彼女の目はひどく真剣で。


つい心の奥にいつも抱えているものを吐き出してしまった。


そんな俺に必死で訴えかける彼女は、また俺のことを好きだと言い幸せになって欲しいと言う。

幸せを望めと言う。


自分のためにここまで必死になってくれる彼女に何か反応を示すべきなのに、言われた言葉が身体をまっすぐに貫いて身動きがとれなかった。


そうこうしてるうちに、真っ赤な顔で公園を飛び出してしまった彼女の背中を目で追うがあっという間に小さくなって、遠くへと消えてしまった。


周りを見渡すと、いつの間にか真っ暗で街灯がともり始めている。


さっきまで爽やかだったはずの風が、急に冷たくなってきた。



そろそろケリをつけるときが来たらしい。



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