隣の部屋と格差社会。
そんな私の甘い考えを感じ取っているのか、みつる君のお母さんの怒りは収まらない。
みつる君のお母さんを応接室に案内し、園長先生、主任先生、私でお母さんの話を聞くこと、もうかれこれ3時間以上はたったはずだ。
最初の1時間は昨日の話。でも、だんだんと私に対する日々の不満が溢れてきた。
挨拶の声のトーンや、連絡帳の書き方など。細かいことや大きなことまで。
自分では、精一杯やれていると思ってた。
でも。
実際に、こどもを預けているお母さんはそうは思っていないんだ。
ごもっともな点ばかりでだんだんと自分の身体が小さくなって行くのを感じる。
泣かないように拳を握りしめ、耐えるだけで精一杯で私はなにも出来なかった。
結局、優しい園長先生と何度も修羅場をくぐり抜けて来たと言う主任先生がお母さんの気持ちを鎮めてくれ、事なきを得た。