遠恋
朝起きてからずっと。
考えるのは彼のこと。
学校には早めに来たはずなのに。
教室を開ければムスッとした顔の彼。
腕を引っ張られて。
壁に追いやられ。
もう、何が何だかわからなくなって。
「何?昨日のメール。
俺も、お前がすきなんだけど。
なんで引越しの事話さねぇんだよ!
……なぁ。
あと、1年で高校卒業だろ?
そしたら、絶対迎えに行くから。
遠距離恋愛になるけど。
1年だけ我慢して?」
そういう彼に。
「私に話しかけるなって言ったじゃん」
そういう。
「杏ちゃん……杏ちゃん…。
こう読んで欲しかったんだろ?
それならずっと読んでやるよ。
もう1人の「杏ちゃん」には、
手伝って貰ってたんだよ。
お前に…。杏奈に。
嫉妬して貰いたかったから。
…今日からお前は俺の彼女。」
そういう彼に、わたしは
「よろしくね。
やっぱり名前で…呼び捨てで読んで欲しいな。」
そうつぶやくと
「いつでも読んでやるよ。。杏奈♡」
「1年会えないけど…浮気しないでね?」
「あったりめーだ。」
そういう彼に安心感を覚えた。
そして、私達の遠距離恋愛はSTARTした。

