あの春、君と出逢ったこと
お昼終了の鐘とともに教室に入ってきた先生……担任の先生は、やる気の無さそうに出席確認を取る。
みんな分取り終わった後、担任の先生が、黒板に数列を書き並べていく。
その姿を、欠伸をして、眠気をこらえながら頑張って見る。
……数学、好きなんだけど。
駄目だ……この時間はどうしても眠くなる。
お弁当食べた後だよ?
眠くなるに決まってる。
周りを見ると、私以外にも、うたた寝している人がいるのを見て安心する。
お昼後の授業だけは、どの教科でもどうしても起きられない。
……山先生の体育の授業は別としてね?
女子の体育は留美先生何だけど、偶に山先生が担当する体育は、結構女子にとってはキツイものがある。
楽しいから良いけど。
『じゃあこの問題を……夏川。
答えてみろ』
『はいっ⁉︎』
眠気と戦っていた私を目ざとく見つけたのか、担任が私を当て、ニヤつく。
……何、この黒板に書かれている数列。
自分のノートを見ても、何を書いてあるのか分からないミミズ文字。
絶対、答えきれないのわかってて当てたよね、あの担任!
担任を心の中で毒づきながら、どうしようかと思考を巡らせていると、私の机の上に、紙切れが投げられてきた。
何、この紙。
こっそりと紙を開くと、そこには、多分この問題の答えなのだろう、y=3Xと書いてあった。
『……y=3X』
ボソッと答えた私に、あっていたのか、目を見開いて正解。と言った担任に、心から安堵する。
良かった。答えきれて。
絶対解けなかったら、このあと目をつけられていたと思う。