妻に、母に、そして家族になる
「あの、それでは一緒に回転寿司に行ってくれませんか?」

『え?』

「一度行ってみたかったんですけど、ああいう所は親子連れが多くて、一人では行き辛かったんです。だから信濃さんとハルくんと三人で行けば、うまく溶け込めるんじゃないかと思いまして」

『……本当にそれでいいんですか』

「はい。それがいいです。お願いします」

目の前に相手がいるわけでもないのに、つい頭を下げてしまう。

すると電話越しから「クスッ」と笑う声が聞こえた。

その声が何となく艶っぽくてドキッと心臓が高鳴った。

『分かりました。いつがいいですか?』

「えっと、今週の日曜日の夜六時とかはどうでしょう」

『日曜の六時……はい、大丈夫です。ハルにも明日言っておきます』

「……私達で勝手に決めちゃいましたが、ハルくん一緒に行ってくれるでしょうか」

『大丈夫だと思いますよ。寝る前、今度はいつフミちゃんに会えるのって、何度も聞いてきましたから。たぶん大喜びできますよ』

「本当ですか?ふふふっ」
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