妻に、母に、そして家族になる
ハルくんがOKしてくれたときの返事は決まってる。

いや、それ以外の返事は考えていなかった。

確信なんてなかったけど、心のどこかでハルくんはOKしてくれると思っていたのかもしれない。

「信濃さん達の家にお邪魔させてください」

『うん。でも、橘さんの部屋を準備したいから、少し待ってもらうことになるけど。できるだけ早く連絡するから』

「はい、分かりました」

『絶対迎えに行くから待ってて』

「……はい。待ってます。いつまでも」

通話を終えると、スマホを抱きしめたままベットに仰向けになった。

胸がドキドキする。

三人で暮らす生活はどんなものになるんだろう。

不安が無いわけじゃないけど、でもそれ以上に楽しみ。

心に絡みついていた不安が消え、その日は久しぶりに深く眠ることができた。
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