孤独なシンデレラに永遠の愛を捧ぐ。



「あ、そうだ。高野さん」

今度は違う女子が何かを思いついたようだ。


「最近、香川 佳穂と一緒にいるって噂、本当?」


なんの前ぶりもなく佳穂の名前が出てきたので体がビクリと反応する。


「何でそんなこと聞くの?」

「だってその…、ほっぺたって香川さんが原因でしょ?」


またそのことか。

私はそっと頬に貼られている湿布を撫でた。

まだ少し痛みが残っている。


そういえば顔みたいに露出しているところを殴られたのは初めてかもしれない。


「違うよ。階段から落ちたの」

「隠さなくなっていいんだよ。私たちちゃんとわかるから」

「…心配してくれてありがとう。でも本当に違うから」


佳穂はなんにも関係ないのに、なんで"佳穂のせい"だと言うんだろう。

確かに、私が攫われたのは彼女たちが原因でもある。

だけど殴られたのは私が男を挑発したからだ。

完全なる自業自得。


それだというのに、他の人が…友達が悪く言われるというのは気持ちが良いものではない。



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