孤独なシンデレラに永遠の愛を捧ぐ。


"三人組"についていくと学校を出て、辿り着いたのはこぢんまりとした家。

ていうか、学校出るなんて聞いてないんだけど。

これでは午後の授業はサボることになる。

三年間の授業内容は全て理解しているから良いものの、授業単位を落とすことになる。

ああ、最悪。


「ここは僕たちの遊び場なんだ」

家の中に入る時、眼鏡の人がそう言った。

遊び場?ってことは誰かの家ってわけじゃないんだ。


玄関を入って右手のドアを開くとリビングの様な部屋が広がっていて、アンティーク調の家具がオシャレな空間だった。


「あ、結愛ちゃん!」

聞き覚えのあるソプラノの声で名前を呼ばれ、見れば昨日の女の子がソファーに座っていた。

さっき噂されていた張本人だ。


「香川…佳穂、さん」

「名前、覚えててくれたんだ!」

やった!と微笑む。

彼女がここにいるってことは、やはり"三人組"と仲が良いんだろう。

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