孤独なシンデレラに永遠の愛を捧ぐ。
「黙ってないで早く言いなよ。高野サンでしよ?」
「おい、そうなのか?」
真ん中に立っている黒髪も口を開いた。
あ、こういう声なんだ。割と綺麗。
「そうですが?」
「やっぱりね」
眼鏡の人の口角が更にキュッと上がった。
この人たち、何が目的なんだ。
「あの、腕離してもらえます?」
痛いんですけど。
「ああ、ごめんね。でも離すわけにはいかなくて。これからついてきてもらえる?」
「いや、これから図書室に行く予定なので」
この人、絶対ごめんねなんて思ってないでしょ。
言葉が薄っぺらい。
「んー。図書室は諦めて」
それは、猫撫で声のようにも聞こえた。
でも違う。
掴まれた腕はより一層きつく握られる。
痛くて、思わず握られた腕を見た。
そして次に眼鏡の人の顔を見る。
これは、彼らについていくしか無さそうだ。